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人魚島
第6章 早坂先生と恋人美沙
あれが憧れの麦茶さんなのだろうか?
僕等はコッソリ盗み見した。
スラッとした痩せた肢体に紺色の長い長袖のワンピース姿。
麦茶さんは左腕がリストカットと煙草の火傷、つまりはケロイドだらけらしい。
それをやたら無闇に見られる事を好ま無い麦茶さんは年中長袖だ。
間違い無い、あの女性はきっと麦茶さんだ。
長い琥珀色のストレートの髪は胸元に揺れ西日でキラキラしていた。
長い前髪、大人の女性らしくセンター分けで耳に掛けている。
煙草はケントの1㎎メンソール、診察ベッドに茶色いボストンバックを乗せて談笑している。
不意に会話が聞こえた。

『2年振りかなぁ?』

早坂先生の声色は高い。

『そうね』

麦茶さんの声はめちゃくちゃ可愛かった。
まるでさながらソプラノボイスだ。
僕はいたく興奮していた。
憧れの麦茶さんが目の前に居るのだ。

『あ…ちょっと…だ、駄目』

早坂先生が『ハハハ…』と笑いながら美沙さんの琥珀色の髪の毛を撫でる。
敏感なのか何やら頬を赤らめる美沙さん。

『知ってるやろ?エビリファイ処方されとんねん、身体が敏感やねん』

エビリファイ?安定剤かなぁ?

『知ってるよ、懐かしいね』

『あ…ん…まだ朝やさかい、離してや?』

なんだかエッチな妙な空気が流れている。

『離婚したらしいね、本当なの?』

ようやく美沙さんを解放して早坂先生が向き直る。
ゆっくり頷く美沙さん。

『良かった』

早坂先生と愛しげに美沙さんを見詰める。
愛がそこには間違い無くあった。
早坂先生が再度長い美沙さんの髪の毛を撫でる。
途端ビクンッとしながらも早坂先生を見上げ下唇を噛み締める美沙さん、エロい。
感じているのだ、早坂先生を。

『魚なら腐る程あるから、何か作ってよ?懐かしの海鮮カルパッチョだとか作ってよ?』

『良いよ』

なんだか新婚夫婦の様にイチャイチャしながら台所に消える二人だったが、二人共声が良く通り声が筒抜けだった。

『離婚したなら安心してゆっくり美沙の事抱けるよ』

『気が早いなぁ、早坂は…ハハハ…』

可憐な笑い声が聞こえた。
しばらくして台所から焼き魚と海鮮カルパッチョをお盆に乗せた美沙さんと早坂先生がやって来てまた二人で再び診察室で遅い朝食を取り始めた。

『昨日は祭だったんだ』

『へぇ』

『近所の子供等がバンドしてたよ』

『ふぅん』
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