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人魚島
第2章 人魚島
ちょうど大海原、広島県某所、香川県の小豆島と同じ位の島がある。
島には正式名があるが、場所がバレるのも難儀だからな、あえて島民が呼ぶ『人魚島』としておく。
人魚島はわずか150世代程度の小さな廃村で本州との人の往来も少ない。
学校も中学校まではあるが子供は少なかったし、そもそも高校を上がる頃には皆一様に実家の家業である漁師を男子は継ぐし、女子も16歳には嫁いで外界に出てしまう。
ごく少数が広島本土の高校に進学する程度だ。
立花漁港や安浦漁港、吉名漁港等に採れた魚を卸す時もあったが、その半数が人魚島内で身内に配り合うのが暗黙の了解だ。
完全自給自足、田舎暮らし。
牛舎や養豚場や養鶏場はほぼほぼ各家庭に最低一つはある。
僕、篠山春樹が世話になった魚沼一族も牛舎と養豚場と養鶏場を6つ7つ構えていた。
魚沼一族は決して裕福では無かったが、貧乏でも無く、その癖ちょっとした日本邸みたいな日本家屋に住んでいる。
昔奇跡の様な量の魚を釣り上げ財を成した曾祖父が建てた立派な日本家屋だ。
屋根瓦は重々しく黒色で鬼瓦が威嚇している。
庭は広く鯉や鮒を飼育している。
鹿威しがあるのだ。
15年しかまだ生きて無いけど、鹿威しがある家だなんて生まれて初めてだ。
田舎でスーパーマーケットやショッピングセンターも無ければ携帯電話の電波も危うい。
そんな人魚島には伝説が残されていた。
人魚とは海の神であり海の精霊だ。
北欧ではセイレーンと呼ばれ船乗り達を水底に誘い込み溺死させ、人間を殺す荒々しさがあるが、日本に残されている人魚伝説ではむしろ人魚は被害者だ。
食せば不老長寿になれると言われるまやかしめいた胡散臭い伝説が文献やらに残されたり、やれ人魚のミイラだと猿や猫のミイラを作りお布施をせしめる悪徳な寺や神社も昨今点在する。
人魚島の巫女は人魚の呪いを受けて生まれて来るらしい。
呪いなんて言っても可愛い物で、単なる言い伝えで特別何か恐ろしい事が起こる訳では無い。
単なる、本当に単なる言い伝えだったのだ。
しかし、僕は間違い無く会った。
魚沼花子に。
東京から7時間掛けて人魚島に着いた時『迎えに人を寄越すから』と言われ胸を撫で下ろし最初に出会うのは花子の姉咲子だったが、次に出会ったのは…間違い無く"顔の無い女の子"魚沼花子だった。
次は~広島~広島~
新幹線のアナウンスを聞きながら僕は降りた。
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