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人魚島
第8章 能力
『やがて僕に馬鹿馬鹿しいねんけど慎三さんは求婚して来たよ、出逢って2ヶ月程度だったかな、当然僕は断ったよ、何せ魚人と人間、神とヒトだったからね、確かに慎三さんには心惹かれていたけれど、恋愛の類いじゃ無いよ』

『ウオトは何年生きてるの?』

『僕?僕は平安時代やから1108歳やで、平安の809年生まれだよ』

『何してたの?』

『主に戦かな?人々は稲や金や土地の為に戦っていたよ、僕は参戦して槍で戦ったよ、父親が帝だったからね、土地を守りたかったんや』

『帝?』

『そう、皇子様だった訳、これは咲子から聞いたでしょ?僕の祖母は発狂して己の顔面を食い、母は戦や父上の死に嘆いて姉妹8人の内7人連れて僕を残して海に帰る話やで』

『じゃあ本当に島の村人には人魚の血が流れてるの?』

『うん、正解に言えば魚沼だけね、この頃血はだいぶ薄まったけど、近親婚は当たり前の様に繰り返されていたよ、だからかな、魚沼の人って人魚顔で美人なんだ』

上体を起こして膝に付いた砂浜の砂を払いながらウオトが悪戯っぽく微笑んだ。

『あの祠にあるミイラは誰が作ったの?』

『龍神だよ、彼も古来から人間の姿になれたんだよ』

『龍神も?』

『うん、龍 神一って名前でウロウロたまにしてる』

『宿敵なの?』

『元々はライバル関係だったのを神として崇められ崇拝され、奉られた僕に嫉妬した龍神が42年前に僕を捕まえてミイラにし、あの祠に封印したんだよ。最初は皆助けよってしてくれたけど…龍神の怒りに触れたく無いと離れて行った。やがて僕の復讐に恐れた村長一家は特別美しかった魚沼の家系の女を姫巫女様として江戸時代から続く風習の神嫁ぎさせるんだ、下ら無いよね、本当に、僕が欲しかったのは慰めの花嫁じゃ無くて大海原だったのに』

『成る程そう言う経緯だったのか、だから魚沼家は豪邸なのか』

合点が重なった。

『うん、慎三さんは財を、僕は死を手に入れた。そして僕は天照大御神によって大神魚人として転生したって訳』

笑いながら『人間も悪く無いなぁ』とはしゃぐウオトは相変わらず美しかった。

『で?今日も試すんやろ?』

『え?』

『タイムリープ、時空間旅行』

『勿論、怖いけどね』

『上手く行くよ』

僕は震えながらウオトを見詰めた。
ウオトは『そろそろ行くよ』と弁当箱片手に立ち上がる。
僕等も立ち上がった。
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