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人魚島
第10章 東京編
大量の安定剤が散らばる中、僕はユニットバスに近付き鏡を覗き込んだ。
大量のボディピアスに眉にもピアスを施していた。
殴られたのか唇が歪み血が滲んでいる。
髪の毛は無造作に脱色されてオレンジ色だ。
年の頃は18歳位だ。
背丈も175㎝ばかりある。

『花子、酒…』

不意に呟く僕。
ハッとして右手で口を押さえるがもう遅い。
花子がすぐさま『呑もうよ、ねぇ、ハルくん、敦ぶっ殺しに行こうよ』と物騒な事を言ってのける。
『まさか』と笑う僕に『昨日敦にレイプされかけて助けてくれたんは良かったけど、まさか喧嘩で負けるとはなぁ』と肩を竦めながら妖艶にウイスキーをグラスに注ぐ。
途端沸々と何やら怒りが沸き上がり花子に平手打ちする僕。
ハッとして慌てて花子を抱き起こし『大丈夫かい?』と頬を撫でれば怯えたのかビクッとする花子。
このタイムリープ先の時空間の僕はどうやらドメスティックバイオレンス癖があるらしい。
『な、なんや、心配してくれるんか?』ビクビクしながら溢れたウイスキーを拭う花子。
抱き締めながら夜の帳を感じ、不意にカレンダーを見上げれば12月23日だった。
どうしたって寒い訳だ。
場所は何処だろう?
ソッと窓から外の様子を伺う。
パトカーがやかましい中、そこが懐かしの東京だと理解したのは東京タワーが一望出来たからだ。
花子には顔が当然あったが、僕のドメスティックバイオレンスのせいか赤く腫らしているでは無いか。
気の毒に思い抱き寄せて頬擦りする。
何やらヴィヴィアンウエストウッドの甘い香水の香りがした。
『仕事そろそろ行って来る』立ち上がりライダースジャケットを肩に掛ける花子。

『仕事って何してるのさ?』

『はぁ、忘れたん?売春やがな、立ちんぼして10万そこら稼ぐんや、愛するアンタの為にな』

ニヤリと美しい笑みを浮かべる花子。
嗚呼、この時空間も外れだ。
早く広島県に戻らなくちゃ。

『なぁ、広島県に戻ら無いか?』

『何言ってるん?アンタ、敦とつるんで良くマリファナいわして父ちゃん殴って、敦連れて東京出て来たけん、父ちゃんに顔向け出来んけん、二度と帰れんよ?忘れたんか?ああ、畜生マリファナ切らしたな、また買わな…アンタが吸い過ぎなんやで?』

『僕がマリファナ?』

『毎日アホたれみたいに朝から晩迄スパスパ吸ってるやん?』

灰皿にはマリファナの残骸があった。
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