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人魚島
第10章 東京編
ロッカールームで着替え花子に『今日は帰り遅くなるよ』と電話する。
『病気なのにごめんよ』と謝れば『仕事なんだから仕方無いよ』と笑う花子。
僕は駆け足でタクシーに乗り込み渋谷に赴いた。
駅前大通でタマヨリヒメに電話する。
すぐさまオオヤツヒメと言う小柄な男装の麗人ホストが『春様ですね?お迎えに上がりました』とピューマ迄迎えに来てくれた。
オオヤツヒメは木製品の神様らしい。
それを暗示する様にネクタイピンには木の実があしらわれていた。
ピアノの音色が落ち着く店内、奥に通された。

『やあ、来てくれたんだ、待ってたよ』

タマヨリヒメが『何呑む?安いヘネシー辺りにしとく?』とメニュー一覧表を僕に手渡す。
僕はヘネシーパラディアンペリアルを3本下ろした。
一本20万だ。
高い。

『ボクの本当の姿見てみたいかい?』

酔ったのか身体を斜めにしながらタマヨリヒメがニヤリとした。

『なんなの?本当の姿って?』

僕が小首を傾げると『シンちゃんよりは小さいけど、これでも立派な龍の姿なんだ。出産する時や海の中では龍の姿だよ』と笑う。
タマヨリヒメの本当の姿って龍なのか。

『ほら、ヘネシーパラディアンペリアルの水割りだよ』

タマヨリヒメがカチャカチャマドラーを鳴らしヘネシーパラディアンペリアルの水割りを作ってくれた。
早速傾けたがやはり味の違いは解ら無かった。

『カラオケあるよ?歌う?』

『じゃあ前前前世歌います』

僕はヘネシーパラディアンペリアルを一気に呑み干し渇を入れるとGCGCと入れ替わるギターのコードに合わせて歌い出した。

『なんか、アンタと花子の歌みたいね』

歌い切った僕にアマテラスが言った。

『前前前世から僕は君を探し始めた…ね。で、アンタはそのぶきっちょな笑顔目掛けてこの世に舞い降りた訳ね』

ぶきっちょな笑顔か、確かに花子っぽいな。

『居心地はどうかしら?』

『悪く無いし、良くも無いかな?』

『ほら、お代わり作ったわよ、朝迄呑むわよ?』

僕等はカラオケしながらヘネシーパラディアンペリアルの水割りを浴びる様に呑んだ。

『忘れる前に渡しておくよ』

タマヨリヒメが御守りを手渡して来た。
隣ではアマテラスが天城越えをそのハスキーボイスで歌っている。

『これは?』

『安産祈願した生粋の安産の御守りだよ、後は発育にも効く様にしておいたよ』
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