この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
人魚島
第10章 東京編
あらかた生ビールを片付けて僕はケントを燻らせる。
アマテラスは純銀製のシガーケースからロメオイジュリエッタを取り出し一本口に咥える。
赤い口紅がいたく妖艶だ。
アマテラスは『さて』と切り出す。

『なんですか?』

訊ねる僕。

『花子とは仲直りしたのね?』

『え…ああ、まぁ、はい…一応は』

『何よ?歯切れの悪い返事ね?』

『そうですか?』

『仲直り出来たなら何よりだわ』

ロメオイジュリエッタを燻らせながらアマテラスが笑う。
僕はポカーンとしながらアマテラスの言葉に耳を傾けていた。

『アンタには花子が、花子にはアンタが必要なのよ』

『………』

『さぁ、食べなさいよ、湯葉なんて久しぶりだわ』

箸を動かし湯葉を食べるアマテラス。
湯葉が好物なのか、しきりに箸を動かしている。

『で、結婚はするのよね?』

『はぁ、しますよ?』

『いつ?』

『今年の花子の17歳の誕生日、4月4日です。式に来て下さいよ、招待状送って招待しますから』

『あら、なら月読も連れて行くわ』

『シンイチも当然勿論呼びますから』

『なら姉弟で呼ばれるわね、ありがとう』

他愛無い未来予想図をアマテラスと繰り広げる僕。

『そろそろ行きましょうか、スーツ着なさいよ?』

『はい、解ってます。本当にありがとうございます』

僕とアマテラスは9時、ドラゴンゴッドに向かう。
勿論VIPルームだ。
アマテラスは前回下ろしたルイ13世の続きを嗜みながらロメオイジュリエッタを燻らせる。
僕はアマテラスに買って貰ったばかりのARMANIのスーツだ。
きちんと見立てて貰いサイズもピッタリである。
カチッと着こなし僕はアマテラスにお代わりを作りながら『アマテラスさんが言って下さらなきゃ花子とは仲直り出来ませんでしたよ』と頭を下げる。
アマテラスは『別に、ただのお節介よ』と笑うだけだ。
僕は水割りを貰いつつ『煙草吸いますね』とケントを燻らせる。
アマテラスもロメオイジュリエッタを燻らせる。
僕等の吐き出す二酸化炭素が絡まり合いながら溶けて行く。

『肴に果物』

アマテラスが『メロン食べたいわ』と笑う。
僕はボーイを呼んで肴に果物の盛り合わせを頼む。
ボーイがすかさず果物の盛り合わせを持って来てくれる。
メロンを食べながらアマテラスが『早く引っ越ししたら?』と引っ越しを促して来る。
/488ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ