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偶然が運命にかわるとき
第5章 私が知らなかった彼



私だって子供じゃない。

一人暮らしの男の人の家に行くことが

どれだけ危険なことかくらいわかる。





でももうその時には気づいていた…




この緊張が恐怖を感じている

ドキドキじゃない…




神谷さんと今夜ずっと一緒にいられる

という事への期待だと…




自分がそんなことを考えていることが

とても恥ずかしい…




私はいつの間にか神谷さんを

上司ではなく男として見ていた。




今までこんな気持ちになったことは

正直なかったのに…



優しくされたり、冷たくされたり

そんな態度にいちいち私まで

一喜一憂して惑わされる。




そんなことを思いながらも引かれる手は

離れることなく神谷さんのマンションへ

引き込まれていったのだった。






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