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偶然が運命にかわるとき
第5章 私が知らなかった彼

「え…!?でも…!」
「でも…なんだ?」
と言って、神谷さんは
真剣な顔をして私を見た。
けれどそれが一瞬で崩れ笑った。
「別に取って食おうなんて
思ってねえよ、バーカ。
意外にやらしいな、お前。
それとも…俺とどうにかなりたいの?…」
そう言うとどんどん顔を近づけてきたので
私も後ずさるように身体を後ろに倒す。
限界までさがると今度は顎にそっと
手を添えられとても近い距離で目が合う。
マンガでしか見たことのない
シチュエーションに私は身動きが
取れなくなってしまった。
今にもキスができそうな距離…
そこでタクシーの運転手からの
「着いたんですけど…」
神谷さんはそれをわかっていたのか
それすらわからないがスマートに
お会計をして私の手をとって降りた。

