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偶然が運命にかわるとき
第7章 目を覚ましたとき

気になった私はカウンターに
座りその姿を眺めた。
「すご~い…料理出来るんですね!」
そう言うと神谷さんは
少し嬉しそうに微笑んで
「当たり前だろ…独り身生活何年だと
思ってんだよ。独身なめんなよ。」
「でもやらない人はやらないし!
偉い偉いっ!」
「上から目線だな、随分。
そういうお前はちゃんとやってんのか、
家事とか掃除とか。」
「私、母親いなかったから
中学生の時から料理してたし、
それなりに全部出来ますよ~」
神谷さんの顔つきがすこし暗くなるのを
私は見逃さなかった。
いつもこの話を始めると
皆同じ顔をするから。
勿論、自ら話したことはないし
聞かれても皆に話していた訳じゃない
私の過去。
「お前そんな早くから母親いなかったのか…」
「はい、ちなみに父親もいません。」
そう笑って言うと
「無理して笑ってんのバレバレだから、
俺の前ではそういう顔すんな。
とりあえず食え。」
キャベツ、キノコ、豚肉の和風パスタが
ほんの15分くらいで出てきた。

