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溶かされてみる?
第9章 それぞれの愛のカタチ
「ん…」
あたしは、身体のあったかさとふんわりとかおるシトラスの匂いに目が覚めた。

「ここ…」
「すー…」
すぐ隣を見ると、あたしを抱きしめながら、子どものようなあどけない表情で寝る黎泱先輩。

あたし…あの後黎泱先輩と…しちゃって…
しかも、あんな大胆なこと言って…!!!

思い出したあたしはいたたまれなくなって、黎泱先輩の腕から逃げてベッドから出ようとする。

「ん…どこいく…の…?」
逃げようとしたあたしの身体を繋ぎ止めるように抱きしめ、黎泱先輩は囁く。

「黎泱先輩…!そ、その…」
あたしは聞かれた言葉になんて反応していいかわからず籠った。

「もうすこし、側にいて…」
そう言ってあたしの顔に自分の顔をすり寄せて、愛おしそうに黎泱先輩は言った。

バクバクバク…
しっ心臓に悪い!!!

あたしはそんな囁きを受けて完全に身体の力が抜けていた。

どっから湧き出てくるのそのエロさ…!!

焦っているあたしを遮るかのように、黎泱先輩の部屋の扉がなった。

トントントン
「おい、黎泱。飯の時間なんだけど」
朝ですこし声のトーンが低い、律先輩の声が聞こえた。



いや!黎泱先輩、そこは答えようよ!!
あたしはさっき以上に焦り出し、この状況を切り抜ける方法を探した。

どうしよどうしよ…

「寝てんのか…??おい入るぞ…」
あーー!!!!まって!!!

「起きてるから…後で行く…」
「あ?起きてんのか。」

焦りを頂点にしたあたしの耳元で黎泱先輩はドアに向かって言葉を放ち、律先輩ははやくこいよと扉の前で行って、そのまま下に降りて行った。

し、し、死ぬかと思った…
あたしでも整理できてないこと状況を律先輩に見られたらなんてことになるか…!!

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