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溶かされてみる?
第9章 それぞれの愛のカタチ
それからあたしたちは他愛ない話で盛り上がった。

「おっと…そろそろ時間だな…」
「わ!本当だ!みんな帰って来る時間!!」
「残念…恋またおいで!彰の面白い話きかせてあげるから!」
「わーいテオさんさすが〜♩」
「テオ!全く…ほら、恋いくぞ!」

店を出る前にテオさんからケーキをみんなの分もらい、あたしたちは店を出た。

「テオさんのケーキ…ほんっとに美味しかった〜…」
「またいくか、恋」
「やった〜! ぜひお伴します♩」
本当に幸せだよ〜…
感謝、彰さん…泣

「少しは元気になれたか?」
「え…??」
「最近、何かと悩んでたろ?」
彰さんは心配そうに車を運転しながら言う。

「あっ…」
「お前は何もしてねえし、俺らに負い目も感じる必要ないし、どーんと構えとけどーんと!」
少し暗くなったあたしを励ますかのように彰さんは笑顔で明るく言った。

「ありがとうございます、彰さん。彰さんのおかげで元気出ました!」
彰さんはほんと明るくて包容力があって、お兄ちゃんみたい。
「彰さんがお兄ちゃんだったらよかったのにな〜」
あたしがふと彰さんに向けて言うと、彰さんは少し悲しそうな瞳をした。

あたしなんかいけないこといっちゃった…?

「じょー兄」
「えっ…?」
「昔、じょー兄って呼ばれてたことを思い出しただけだ」
気づけばすでに家の駐車場に車は止まっていた。
車を止めた彰さんは、あたしの頭を手で引き寄せて

「んっ…」
ちゅっ…
と触れるだけのキスをした。

「俺は恋のお兄ちゃんにはなれないよ」
切ない表情でそう言った彰さんは、車から出て、先に家に入っていった。

ど…どういうことなの…!
彰さんが!あたしにキス…??
あたしは彰さんの言葉の意味や行動がわからないまま、1人車の中で悩んでいた…
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