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溶かされてみる?
第9章 それぞれの愛のカタチ

ガチャ…
あっ…
「おはよう。恋」
「おはようございます。遠哉さん」

洗面台に向かうと、先に顔を洗っている遠哉さんがいた。

「顔が赤いようですが、大丈夫ですか?」
遠哉さんは洗った顔を拭いて、あたしの顔をじっくり見る。

「だ、だ大丈夫です!!」

か、顔が近い!!そう思いながらあたしも急いで顔を洗う。
遠哉さんは少し不安げな顔をしたが、髪のセットをし始めた。

「今日不思議な夢見ちゃって…」
「不思議な夢…?」
顔を洗い終えたあたしは遠哉さんに夢の話をする。

「声しか聞こえないんですけど、あたしのことを必死に呼んでる人がいて。でも、その人に何かあったみたいで誰かが泣いてるんです。」
あたしも起きたら泣いてたみたいで、ほんとなんの夢なんですかね〜?とあたしは笑いながら遠哉さんに話す。

「…!…そうですか…」
遠哉さんは夢の話をした瞬間驚いたような顔をしたが、すぐにそう答えた。
ん…?少し不思議に思ったがあたしは気にすることもなく
「ひさびさに夢なんか見ちゃったから、気になっただけですよね〜」
いきなりすみませんでした!と言って部屋に戻った。

「それ以上…思い出さないでください…」
1人残った洗面室で辛そうにそう声を出す、遠哉さんのことなど知らずに…
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