この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
溶かされてみる?
第9章 それぞれの愛のカタチ
ガチャ…
あっ…
「おはよう。恋」
「おはようございます。遠哉さん」
洗面台に向かうと、先に顔を洗っている遠哉さんがいた。
「顔が赤いようですが、大丈夫ですか?」
遠哉さんは洗った顔を拭いて、あたしの顔をじっくり見る。
「だ、だ大丈夫です!!」
か、顔が近い!!そう思いながらあたしも急いで顔を洗う。
遠哉さんは少し不安げな顔をしたが、髪のセットをし始めた。
「今日不思議な夢見ちゃって…」
「不思議な夢…?」
顔を洗い終えたあたしは遠哉さんに夢の話をする。
「声しか聞こえないんですけど、あたしのことを必死に呼んでる人がいて。でも、その人に何かあったみたいで誰かが泣いてるんです。」
あたしも起きたら泣いてたみたいで、ほんとなんの夢なんですかね〜?とあたしは笑いながら遠哉さんに話す。
「…!…そうですか…」
遠哉さんは夢の話をした瞬間驚いたような顔をしたが、すぐにそう答えた。
ん…?少し不思議に思ったがあたしは気にすることもなく
「ひさびさに夢なんか見ちゃったから、気になっただけですよね〜」
いきなりすみませんでした!と言って部屋に戻った。
「それ以上…思い出さないでください…」
1人残った洗面室で辛そうにそう声を出す、遠哉さんのことなど知らずに…