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溶かされてみる?
第9章 それぞれの愛のカタチ
一旦部屋に戻り着替えを取る。
今日学校休みだもんな…
お風呂はいったらもう一回寝よう…
今日の予定を頭の中で決めながら、お風呂場に向かい扉を開けようとしたその時…
ガチャッ…
「うわッ…!」
掴もうとしたドアノブが消え、前のめりに倒れそうになる。
「ッ…ぶねぇ…!」
目の前に現れた力強い手に支えられて、あたしが倒れることはなかった。
「ご、ごめんなさッ「お前いっつもこけそうになってんな」
顔を見上げるとすこし困ったようにあたしを見つめる律先輩がいた。
「お、おかげさまで…」
「褒めてねえぞ」
あたしがはははと笑いながら言うと律先輩は呆れたように返した。
「今から風呂か?」
「はい!律先輩はお風呂上がりですね」
「おー…朝のジョギング終えたからな」
相変わらずストイック…
「お前は?今日予定あんの?」
「いえ全く、律先輩は??」
「…俺はちょっと寄るとこがある」
少し顔が切なくなったような気がした。
ん???
「湯冷めすんなよ」
あたしの頭を撫でて、タオルをひらひら回しながらじゃあなと部屋に戻る律先輩。
「なんであんなさみしそうだったんだろ…」
そう思ったがあたしはそれ以上考えなかった。