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溶かされてみる?
第9章 それぞれの愛のカタチ
…
「あッ…ありがとうございます」
ようやく泣き止んだあたしは律先輩に言った。
「大丈夫か?」
律先輩はあたしを抱きしめていた手を離すと、まだ少し不安そうにあたしを見つめる。
「ほほ本当に大丈夫です!!」
さっきまで泣いててよく言うけど、顔近い!!
急に恥ずかしくなったあたしは慌てながら律先輩を説得する。
「そうか?? んならいいけど」
律先輩って本当…
「ヒーローみたい。」
「はっ…?」
やば!口に出てた?!!
「あ!や、その! 律先輩ってだからその…ぐううぅ〜…」
…
最悪。このタイミングで腹の虫…
「「……」」
「っぷ…あははは…!!ぐ〜って!… やば、ツボに入った!!」
両者沈黙の後、律先輩が耐えられず笑い出す。
「そ!そんな笑わないでください…!」
あたしは笑う律先輩に必死で怒る。
「いや、無理無理…っ!! くっ…はははっ!!!」
耐えず笑い転げる律先輩。
律先輩ってこんなに笑うんだ…なんて、
あたしは笑われているにもかかわらず呑気にそう思う。
「はぁ〜しんどいしんどい…くくっ…飯にすっか」
まだ律先輩はくくっと笑いながらあたしに問いかける。
「もう!そんなに笑って…!さっ先にいってます!!」
そう言ってあたしは未だ笑う律先輩を置いて、先にダイニングへ向かった。