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溶かされてみる?
第9章 それぞれの愛のカタチ
「ヒーローみたい。」か…
俺は昔にも同じ人物に同じことを言われたことを思い出す。
俺らが小さい頃…
「ひっく…うっ…く…」
「れん、なにないてんの?」
「れんが大事にしてたキーホルダーが…なくっ…なっちゃって…」
「ったく…俺が探してきてやる。」
「み!見つかんないよ…れんもうさがしたもん…」
「もっかい探してみたらあるかも知んねえだろ」
いっつも大事に手に持ってたママからもらったキーホルダーを、あいつは無くしたと言って公園の木の下でべそをかいていた。
必死に探したんであろう、手は泥だらけで服もボロボロだった。
俺はそんな彼女の姿を見て、必死に探した。
………
……
…………
…
……
「あ!あったぞ!!」
「ほ、ほんと?!」
「これだろ?」
俺は奇跡的にキーホルダーを見つけ恋を呼ぶと、
それをみた恋はすごく嬉しそうな顔になる。
「すっすごい!りっくんすごい!」
キーホルダーを渡すと、大事に大事にそれを握りしめる。
「りっくんてヒーローみたい! 困った子を助けるヒーロー!」
…
恋はやっぱり変わらない。
空白の時間があっても、あいつは昔も今も変わらない。