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溶かされてみる?
第10章 惑う心と誘う夢

〈Yuna side〉

恋…思い悩んでたんだな…
うちは1人、家までの道のりを歩きながら考えていた。

「あの子昔からなんかすぐ抱える感じだもんな…」
うちと恋は小学校5年生の時に出会った。

あの時の恋は転校を繰り返していて、この町にも住んでいたことがあると言っていたはずなのに、周りには友達がいなかった。

教室にいたとき、クラスの何人かが話す声が耳に入った。
「恋ちゃんのお母さんって夜のお仕事してるんだって…」
「昔の恋ちゃんあんなに静かじゃなかったのにね…」
「そうそう。昔は周りにいつも一緒に男の子たちがいたはずなのに…」
「喧嘩したのかな〜?」
みんな思い思いに話していた。

気になってるなら周りで聞こえるように言ってないで本人に言えばいいじゃない。

そう思ったうちは恋に話しかけた。
「心愛さん、ちょっと外で遊ばない??」
端の席で窓から空を見上げていた恋はうちに振り返った。

「あ、あたしと…??」
何かの間違いじゃないかと思わんばかりに驚いていた恋はしどろもどろしていた。
「うん!いこ!!」
「あっ、ま、待って!!」
うちは恋の手を引っ張って学校の花がたくさん咲いてある秘密の場所へ連れてきた。

「ここね!うちの秘密の場「…綺麗…」
うちが場所の説明をしようとした瞬間、恋はそう小さく呟いた。
特別顔が可愛いわけではない。スタイルも普通。格好も普通。
なのに、うちの前で花を見て微笑む少女の顔はすごく心を惹かれるものだった。

こんな可愛い顔するんだこの子…
学校にいるときは切なそうな顔しかしてなかったのに…

それからうちと恋はいつも一緒にいるようになった。
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