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溶かされてみる?
第10章 惑う心と誘う夢
「ふう〜…」
気持ちよかった〜お風呂。
最近寒いから、湯船が極楽極楽〜
食器を洗い終わり、お風呂終えたあたしは飲み物を飲みに一階のダイビングに行こうとした。
「…ら…や…い…」
「……て……ざ…な!…」
話し声…?誰かいるのかな…??
階段を降りる途中、ダイニングから誰かの話す声が聞こえた。
あたしはダイニングに入ろうと手をかけた。
「そろそろ耀さんの命日だな。」
「もうこの時期か…」
「最近、恋がなんとなく思い出してるような気がするんだよな」
「思い出すのは酷だろ…」
耀さん…? 命日?…あたしが思い出す?
あたしはダイニングで話されている会話を聞き、扉の前で立ち止まる。
「恋にとっては記憶がない方が幸せだろ…」
「でもいざこうやって関わると、ほんとあいつ昔からなにも変わってないよな。」
「確かにね〜」
みんな…なにを話してるの…?
あたしの記憶がない…?変わってない?
あたしは扉の向こうでみんなが話している話が理解できない。
どうしよう、何が何だかわからなくて頭がごちゃごちゃで整理できない。
「聖蘭さんも最初は相当苦しそうだったもんな」
「今じゃあんなに元気だけどな」
お母さんが苦しかった…?
「恋にとっては父親はいないことになってるんだ、今知るのは誠司さんのこともあるのにキツイだろ」
「そうだな…」
お父さんがいない…なんでみんながそれを知って…
今知るのはキツい……?
あたしはそれ以上話を聞くことが怖くてその場にいることができず、たまらず外に飛び出した。