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溶かされてみる?
第10章 惑う心と誘う夢
タッタッタッタ…
あたしは無我夢中で夜道を走る。
みんなが話してたのはなに?
耀さんって…それに昔と変わらないって…
今まで散りばめられた記憶のパーツが徐々に合わさっていく気がした。
命日ってことは、死んでるってこと?
それに…父親はいないことになってるって今知るのはキツイって…
それじゃあまるで…
耀さんって人があたしのお父さんだって言ってるものじゃない…!
「きゃっ…!!」
ドタっ…
あたしは走りすぎたのか足がもつれ道に転んだ。
「いっ…たい…」
膝を擦りむいたようで血が出ている。
「恋!!危ない!」
「パパッ!!」
「パパッ…!パパ!!起きて!起きてよ!!」
「恋…無事か…」
「ごめんなさい…パパ…ごめんっ…なさ…い」
「なくな…恋。パパは…丈夫だから…平気だ…!」
「パパ!死なないで…!やだ…」
「…恋…幸せに…なれ…よ…」
「パパ!!!…やだ…ッ…いやああぁ!!!」
ハッ!!!!
一瞬あたしの頭に夢の光景が鮮明に流れた。
パパ…?
夢の中の人は…あたしのお父さんだったの…?
あんな血だらけになって…あたしを助けようとして…
それじゃあ…もしその夢の中の人が耀さんって人だったら…?
その人があたしのお父さんだったら?
ふと近くに公園を見つけあたしはそのベンチに座る。
この公園…なんでかな…初めてじゃない気がする。
見渡してもただの普通の公園で、なにも他の公園と変わったとこはない。
でもなにか…
「れんー!!」
「遊ぶぞー!!!」
「あそぶあそぶ!!」
「急にはしゃいだらこけてしまいますよ」
「ほら今日は鬼ごっこ」
「れんちゃん俺とにげよ」
「ほらおいかけるぞ〜」
ふと目の前に小さな子どもたちが遊ぶ姿が横切る。