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溶かされてみる?
第10章 惑う心と誘う夢
あたしが震える身体を支えながら家に帰ろうとした時
「恋!!!」
「恋ちゃん!!」
「よかった…」
「恋…」
みんながあたしを見つけた瞬間、叫ぶように声を出しながら次々とあたしのところに走ってくる。
「な、んで…」
「馬鹿!急に慌ただしく走る音と玄関の扉閉まる音聞いてびっくりだったんだから!」
「だっ…て…」
「聞いてしまったんでしょう?」
遠哉さんが全てを悟ったかのように、困惑するあたしの瞳を見つめる。
堪え切れなくなったあたしの瞳から涙が溢れ出した。
「…ッ…はっ…い…」
あたしは泣きながらそう答えると、みんなは切ない顔をした。
「…もう…隠しても仕方ねえよ」
律先輩があたしの背中をさすりながらみんなにそう告げた。
「そうですね…家に帰ってちゃんと話しましょう」
遠哉さんがみんなに言い、あたしたちは家に帰った。