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溶かされてみる?
第10章 惑う心と誘う夢
家に帰ると誰かが連絡を入れていたのか、お母さんと誠司さんの姿があった。
「恋…」
あたしの泣きはらした顔を見てお母さんはあたしを抱きしめた。
「ごめんね…あたしが…」
お母さんにあたしはひたすら謝った。
きっとあたしは覚えていない部分でお母さんを随分苦しめたんだろう。
「そんなことない…ちゃんと…私も話すから…」
お母さんは涙をこらえながらあたしに告げる。
みんながダイニングのテーブルに腰をかける、
…
「どこから話すか…」
みんなが黙る中、声を出したのは彰さんだった。
「まず恋ちゃんはなにを思い出した…?」
次に黎泱さんがあたしに聞く。
あたしは夢のこと、みんなこと、話を聞いて繋げたことを部分的に思い出したこととしてみんなに話した。
「夢は…薄々勘づいていました」
遠哉さんが切羽詰まった声であたしに告げる。
「恋が前に夢で自分の名前を必死に呼ばれると言っていた時から、もしかしたらと…」
「それじゃ、まさかその夢って…」