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溶かされてみる?
第10章 惑う心と誘う夢
〈回想入ります〉
10年前の11月17日…
あたしはいつものようにりっくんたちと遊ぶため公園に向かおうとしていた。
ただその日は午後から雨がひどくなる予定だった。
「ママーパパー行ってきまーす」
「恋!今日も律くんたちと遊ぶのかい??」
あたしが玄関を出ようとしたら、パパが駆け足で玄関まで走ってきた。
「そうだよ!りっくんたち待ってるもん!」
「夕方になる前には帰ってくるんだよ」
「わかった!!」
そういってあたしは家を出た。
りっくんたちよりも一足早く公園に着いたあたしはベンチに座り、りっくんたちを待つ。
「きいたー?みみちゃん」
「なになにたっくん」
「公園を出てずっと先にね、綺麗な花がさく野原があるんだって」
「え〜綺麗な花があるの〜?」
「でもその野原に行くまでの道が狭くて暗いし、車もよく通るから子どもだけで行っちゃダメらしいんだ〜」
「でもでもそのお花みてみたいよね〜」
不意に聞こえた公園で遊ぶ他のこどもたちの会話を聞き、あたしは考える。
お花…ママもパパもお花が好きだし、りっくんたちにもあげたら喜ぶかな…
りっくんたちと少し遊んだらその花をとりにいってみよーっと!
あたしはそう決心すると、タイミングよくりっくんたちが公園に来た。
あたしらは合流し、いつものように遊んだ。