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溶かされてみる?
第10章 惑う心と誘う夢
「パパ…?」
あたしは立ち上がりパパの元に駆け寄る。
パパは血だらけで倒れていた。
「パパあああ!!!」
「耀さん!!」
「耀さん…ッ!」
近くでとーやくんやあっくんの声が聞こえた気がしたが、あたしはそんなことよりも目の前でうなだれるパパを必死に呼んだ。
「パパ!!パパあああ!」
「恋…無事か…」
「れんは何もないよ…!でも…パパが…」
…あたしがあの時…花をとりに行かなかったら…
「パパは…丈夫だから…大丈夫だ…!」
笑いながらあたしの顔に手を寄せるパパ。
「ご…ごめんなさい…ッ!ぱぱ…」
あたしはパパの手を支え、泣きながら呼びかける。
「…恋……」
力なく微笑みながらパパはあたしを呼ぶ。
「ごめんなさい…パパ…あっあたし…!」
…パパが呼びかけた時にちゃんと止まっていれば…
「恋…幸せ…に…なるんだよ…」
パパはあたしに笑顔でそういうと、そのままぐったりとしてしまった。
「パパッ…?!パパ!!」
「耀さん!もう少しで救急車が!!」
「耀さん!!」
「おい恋のパパ!!」
みんなも必死で呼びかけるがパパは動かない。
「ごめんッなさ…い!パパ…!起きて…れんいい子になるから…起きてよ…起きてパパ!!」
「目を覚ましてよ恋のパパ!!」
「あっ…あああぁあーー!!」
…パパは死ぬことはなかったのに。