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溶かされてみる?
第10章 惑う心と誘う夢

あたしは次の日…
お母さんに場所を教えてもらい、お父さんのお墓詣りに行った。

お父さん…くるのが遅くなってごめんなさい…
お父さんを…巻き込んでごめんなさい…
あたしがあの時ちゃんと…お父さんの言うことを聞いてれば…

手を合わせて眠るお父さんに話すたびにあたしの目から涙が溢れ出す。

お父さんが必死に守ってくれたおかげで…
あたしは今元気に生きてます。
本当に…お父さんありがとう…

あたし…お父さんと過ごした日々はもう絶対に忘れない。
お父さんの分まであたししっかり生きるから…

お父さんが最期に願ってくれたこと…
あたし、幸せになるから…
せめてものお父さんの最期の願いを果たすから。

見守っててね…お父さん…

あたしはお父さんに言いたかったことをすべて話した。

去る前にもう一度眠るお父さんに礼をした時、柔らかな風が吹いた。

…恋…愛してるよ…

お父…さん…??
聞き間違いかもしれない、都合のいい幻聴かもしれない。
なびく風とともにかすかに囁くお父さんの声が聞こえた気がした。
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