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第10章 惑う心と誘う夢

「…すげー嬉しい…」
「……え…？」
驚いたあたしは律先輩を見ると口元に手を当てたまま、照れながら喜ぶ律先輩の姿があった。

か、かか可愛い…（口に出したら死亡フラグ）
目の前にいるのはいつも口の悪い律先輩なはずなのに、なぜかすごく可愛く感じる。

「おい、お前今可愛いとか思ったろ」
「いえ、全然。」
「嘘つけ。おい、顔背けながら笑おうとすんなバカ」
「そ…ぷっ…んなことは…くくっ…ないです」
「思いっきり笑ってんじゃねーかこの！」
律先輩から顔を背けながらあたしは堪えきれず笑っていると、律先輩にこちょこちょをしだす。

「あっははは！…やっ！…やめ…ッ…ふふっ…ごめっ…ごめんなさいッ…あははッ！！…」
「謝ってんのか笑ってんのかどっちだよおい！」
必死にくすぐる律先輩もまた可愛いと思いながらあたしはひたすら笑う。
「やっ…やめ！！…もう…あはははッ！…ふふふっ…」
「たく…」

はー！！！死ぬか思った。生き地獄だった。

律先輩の必殺こちょこちょの刑から解放されたあたしは、息を整えていた。

「これに懲りたら笑うなよ、誰にもいうなよ」
「いっ…いいません…よ…！」
ある意味あたしの中だけの秘密にしたい（ネタ）