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溶かされてみる?
第10章 惑う心と誘う夢

結局そのあと役割分担をして、あたしはお弁当を詰める係、律先輩はあたしの作ったおかず達を盛り付けてテーブルセッティング係に別れた。

「よし!完成!!」
我ながらお弁当みんなのよくできたと思う!!
レシピ見て勉強しといてよかった〜泣

お弁当をそれぞれの袋に詰めていく。

「できたのか」
律先輩がお弁当を覗きに来る。

あっ!さっきのお返ししてやろ!
あたしは律先輩に見えないように手であえてお弁当を隠した。

「…あっ!おい、見せろ」
必死にお弁当の中を見ようとする律先輩。
「お昼までのお楽しみです〜」
あたしはあえておちょくる様にお弁当をゆらゆらさせながら律先輩に言う。

「ふっ…ばーか」
律先輩は黒い笑みを浮かべながら、ゆらゆらと揺らすあたしの手を取り…

ちゅ…

「なっな!!」
あたしのおでこにキスをした。
「俺より上に立とうなんざ甘いんだよ」
そう言ってあたしが持っていた律先輩のお弁当を取って、テーブルへと行く。

な!なんだあいつ!!
ひっ!卑怯だ!!!
そんなことを思いつつ、キスをされたおでこにあたしは触れる。

なんか…今までとは違うなんていうか…ドキドキというか…

記憶が戻ったのはいいけど、こういう時に不意になんか意識しちゃうよ!!

火照る顔を冷ましながらあたしは朝ごはんの準備をした。
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