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溶かされてみる?
第10章 惑う心と誘う夢

続々とみんなが起きてきてテーブルに座り、いただきますと揃えて言う。

各々がご飯を始め、そして少し会話をしながら食べ終わっていく。

「ごちそうさまでした」
それぞれから終わりの合図が聞こえ、部屋に戻ろうとしたみんなを引き止める。

「どしたの恋ちゃん…??」
黎泱先輩が眠気まなこをこすりながら言う。

それに続き…
「何かありましたか?」
と不思議そうに遠哉さん。
「恋ちゃん何〜?」
となぜかワクワク気味な皐君。
「お腹でも痛いのか?!」
と心配する彰さん。
(大丈夫!お腹は痛くないんだ!!ってのはおいといて)
「なんかあったか…?」
と少し気怠げな暁翔さん。

あたしはみんなから見つめられちょっと萎縮する。
どうしよ…呼び止めたのはいいけど…
なんか渡すの怖くなってきた…

「あ、あの…」
恐る恐るあたしの後ろに隠していた、みんなのお弁当の袋を持ってみんなの前に出す。

「これ…みんな分の…お弁当なんですけど…」
下を向きながらお弁当をバッとみんなの前に出し、もぞもぞとあたしは喋る。

「「「…………」」」

ち…沈黙…!!

失敗した…
どうしよこのまま固まるしかないのかあたし…
あたしは下に向けた顔を恐る恐るみんなの方に向けた…

あ、あれ…

みんなさっきの律先輩と同じ様な反応を示していた。
ほんのりと頬が赤く少し照れた様な顔をしている。

「あ、あの…ええっと…」

これどういう状況!!
テンパるあたしをみていた律先輩が、
「無意識ってこえーな」とポツリと呟き先に部屋へと戻った。
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