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溶かされてみる?
第10章 惑う心と誘う夢



悪夢だ…
ひどい仕打ちだ…
これじゃ罰ゲームじゃん…

しかも何でスリーサイズ知ってんだ!あいつ!!

着たくなかったのに書いてある放送室ジャックの文字が脳裏に浮かぶ…

融那ならしかねない…
あいつならノリノリで本気でやりそうだ。

そう思ったあたしはしぶしぶそのメイド服を手に取った。

………

やっぱ無理だよ…
全部着たあたしは目の前の鏡を見て一層恥ずかしくなる。

たしかに服のサイズはピッタリだけど!これは…

隠すところはエロく隠して、出せるところは大胆に出しているこのメイド服。

これで本当に喫茶でちゃうの?!!
無理だって絶対…思わず脱ごうとしたその時…

シャーーーッ!!

更衣室のカーテンが開かれた。

「ふっふっふ…」
そこに現れたのは魔女のような微笑みを浮かべた融那。
「融那!これ何なの!一体!!」
「さっすが恋!!よくお似合いですことよ!❤︎」
融那はさすがうち❤︎と自分を褒めながら、あたしを上から下までくまなく見る。

「こんなので表出れないよ!!」
「ふ〜〜ん??じゃあいいんだ〜…」
融那の手元にはいつのまにかあのメッセージカードがあり、放送室ジャックの文字のところ指差してニヤニヤしている。

「うちちょうど今からメイド執事喫茶の宣伝放送しに行くからさ〜」
恋がこのままでないんだったらそのまま喋っちゃお〜と融那は更衣室から出て行こうとする。

「わわわかったから!!出るから!やめて!殺される!!」
この腹黒女王!魔性の女!!
なんてやつなんだこの女は…

「そこまでいうなら〜❤︎」
きっとあたしがこうなることを初めから知っていたように、融那はわざとらしくそう答える。

うううう…はめられた…

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