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溶かされてみる?
第10章 惑う心と誘う夢
前に飛び出し倒れそうになったあたしは、表にいた誰かに抱きとめられた。
「あッ…ぶないですよ…?」
「ごごごごめんなさい!」
ナイスキャッチしてくれたその人は、あたしを抱きとめながらそう囁く。
あたしは慌てながら謝り、その人から急いで離れた。
「…恋…??」
「えっ…??」
顔を上げると顔を呆然とあたしを見つめる遠哉さんがいた。
とととっ遠哉さん!!
クラスの人でも恥ずかしいのに!!
よりにもよって野獣共の1人に見られるなんて!!
あたしは急いでその場を離れようとした。
「恋!待ってください」
遠哉さんは逃げるあたしの手を取った。
「なッ…何ですか!!」
あ、あたしってば、声裏返っちゃったよ!!
羞恥心で死にそうあたしは遠哉さんの方を向かないまま答える。
「とっても…可愛いですよ」
あたしの手を引き寄せ、頬にキスをした。
「んなっ!!遠哉さん!何して!」
運良くここは表の喫茶だが、その中でも裏方のため前からは死角で誰にも見えない。
「つい…食べてしまいそうで…」
つい食べるなよ!!てか食べ物じゃないよ!!
あたしはそう頭の中で突っ込みながらも、心臓はドキドキと音をたてていた。
「よく似合っていて可愛らしいですよ」
「そ、そんなことないです…これは融那が…」
融那の…陰謀だー!!!
心の中でそうあたしは叫んだ。
「それにしても…」
艶っぽい雰囲気をかもし出す遠哉さんはあたしの耳元に近寄り、
「刺激的な衣装ですね…」
「ひゃっ…あ!…」
と囁きあたしの耳たぶにキスをした。
「とッ…遠哉さんの…バカっ!!」
あたしは見事な捨て台詞を遠哉さんにかまし、表に出た。