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溶かされてみる?
第11章 嵐の予感
「こんな怖〜いお屋敷に飛び込んできた可愛い乙女は誰かな〜」
あたしは後ろから不意に抱きしめられた。
「キャッ!!…誰?!」
「おいしそうな甘〜い匂い。」
「…ひゃっ…あ…!」
あたしを抱きしめたその人はあたしの耳元で囁いて耳を舐めた。
「声まで可愛いんだから…」
「やッ…やだぁ…やめ…ッて…」
その人はあたしの首筋とうなじにチュッとリップ音を立てながらキスをする。
暗すぎて後ろにいる人が見えず、あたしはさらに恐怖が増す。
誰なの…こんな…
〜…
ん…?この匂い…
ほのかに香るシトラスの匂い。
「黎…泱先輩…??」
「あれ、バレちゃった?」
その声が聞こえるとあたしは抱かれた身体を離された。
後ろを向くと、手にランタンを持った黎泱先輩がいた。
「ななな!何やってるんですか!どさくさに紛れて!」
ってかどこにランタン隠してたんだ…
「もーちょい気づかなかったらよかったのに〜」
ニコニコと微笑んで黎泱先輩はあたしの頬にキスを落とす。
「〜!!!」
だっ!だからこの人はなんでこんなことをいきなり!!
「真っ赤になっちゃって〜〜」
よしよしとあたしの頭を撫でながら黎泱先輩は微笑む。