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溶かされてみる?
第11章 嵐の予感
な…ながい…
如月高校体育館を満遍なく使って繰り広げるこのゴーストハウスは、かなりの大きさでかなりの恐怖だった。
「あともう少しだから…がんばって恋ちゃん」
「ごめんなさい黎泱先輩…」
何回も立ち止まって叫んで、足の力なくなって、腰が抜けて、黎泱先輩に迷惑をかけるだけかけているあたし。
「いや…俺的にはある意味おもしろいけどね…」
「わっ笑わないでください!!」
結構これでもがんばってるのに!!
「ごめんごめん〜!もう着くよ〜!」
あれの先だよと前に見えた扉を指差して黎泱先輩はあたしを励ます。
「よかった〜…やっとだぁ…」
とあたしは落ち着いたのもつかの間。
「黎泱!!お前!ここの担当じゃねえだろ!!」
通る道でお化け役をしていたさっき黎泱先輩達を引っ張って行ったクラスメイトの人が黎泱先輩を引き止める。
「あ…やば。」
黎泱先輩も流石にやばいと感じたのか、少し顔が引きつっている。
「お前は最初で客引きつけろって行っただろーが!」
「あ、デジャヴ〜!!…恋ちゃーん!そこ開けたらいるからね〜!!頑張るんだよ〜!!」
またもひきづられながら黎泱先輩は連れて行かれる。
「ごめんなさい黎泱先輩ー!! ありがとうございますー!!!」
あたしはひきづられる黎泱先輩に必死に叫んでお礼を言った。