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溶かされてみる?
第13章 一難去ってまた一難
「みんな好きなんかじゃない」
「ただ遊んで「こーちゃん!!!!」
あたしは震える皐君の背中を後ろから抱きしめた。
「それ以上言わないで」
「なっ…「こーちゃんはこーちゃんだよ」
あたしは一番思っていることを皐君に伝える。
「!!…」
「こーちゃんはちゃんとこーちゃん自身を見て欲しかったんでしょう?」
「な、なにいって「あたし知ってるよ」
「昔からこーちゃんは努力家で頑張り屋さんだったもん」
「そんな!「勉強苦手なのに必死に頑張って誰よりも頭良くなったり、好きなスポーツを極めようとしたら他のスポーツまで万能になっちゃったり、自分の方が辛いくせにあたしが辛かったらそばにいてくれたり」
「恋…ちゃん…」
「ほんっとりっくんもこーちゃんも…どっちもすぐ抱え込むんだから」
「…なんでそこで律がでてくんの」
ちょっと拗ねたような顔をしながら、皐君は抱きしめたあたしの手に自分の手を重ねる。
「似てるんだよ、放っておけないとこ」
「なにそれ」
さっきまでのとげとげしい雰囲気はなくなって、皐君はあたしの手を離して逆にあたしに抱きつく。
「…こんな最低なのに俺に優しくすんの。」
「こーちゃんが本気でそんなことしたかったわけじゃないのがわかるから」
本当いつでも不器用なこーちゃん。
「…」
「でもね、さっきの女の子達を傷つけたんだとしたら、謝らないと」
「俺は…」
「…喧嘩両成敗ね?」
キョトンとした顔をして皐君はあたしを見る。
「こーちゃんも悪いところちゃんと謝らなきゃだけど、女の子達も了承したはずの条件ひっくり返して、こーちゃんにしたこと謝ってもらわないと不公平じゃない??」
あたしはいたずらっぽく笑いながら、皐君になげかける。