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溶かされてみる?
第15章 大人の世界
「暁翔さんって…ボンボンだったんですね」
「おい、その言い方やめろ」
あたしらがそんなやりとりをしていると
「暁翔様、お待たせしました。準備が整いました」
先ほどの女性が来て、暁翔さんに言う。
「頼む」
「恋様、こちらへ」
「は!はい…」
暁翔さんが返事をするとあたしはその女性に誘導されフィッティングルームへと入って行った。
「どうぞご試着ください」
数々のドレスが並べられ、どれも目移りしそうなくらい素敵だった。
「すっごく素敵…」
あぁシンデレラになった気分…
これは夢か…夢なのか…
「まずはこちらからどうぞ」
「ははははい!!」
ドレスを渡され、あたしは中の部屋に入る。
綺麗な色…
はじめに渡されたロシアンブルーのチュールドレスだった。
こ、こんなのあたし絶対似合わないよ…
そう思いながら、ドレスを傷つけないようにゆっくりゆっくり着ていく。
「着れたか?」
カーテン越しに暁翔さんの声が聞こえる。
「ま、まだです!!」
あたしは暁翔さんがいるのに驚いて足がもつれて、中で倒れる。
ドタッ…
「いったたた…」
そう思いつつもドレスを必死に確認する。
よかった…傷ついてない…
安堵したのもつかの間。
シャーッ…
「なにやってんだ…」
カーテンを開ける音が聞こえ、中に暁翔さんが入ってくる。
「なななな!なんで!!」
そんなあたしはまだ背中のファスナーも上げておらず、ドレスも半脱げ状態だった。
「そそるな」
暁翔さんはあたしの状態を見ながらそう呟く。
「へ!変態!!」
「ほらこっち来い」
そう言って倒れたあたしを起こす。
「怪我ないか」
「え…あ、はい!!」
なんだかんだで優しいんだよね暁翔さん。