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溶かされてみる?
第15章 大人の世界

「ありがとうございました。」

…つ、疲れた…

結局あの後、カバンや靴、アクセサリーなどを暁翔さんのチョイスでみて回り…

パーティーに必要なものは全て揃えた。

「ほら帰るぞ」
暁翔さんは全身疲労のあたしの手を引きながら、車へ連れていく。
「は…はい」



あたしたちは車に乗り、あとは家への帰路を進んでいく。

ひと段落ついたあたしは
「…人生で一番緊張したかもしれない」と呟く。
「大げさだな」
暁翔さんはいつも通りであたしの様子を見ながらクスッと笑う。

「…ボンボン」
「もう一回脱がされたいのか?」
「すみません」
今日は驚くことが多すぎて本当に疲れた。

まず暁翔さんがあの祈織カンパニーの長男ってとこからびっくりだし、なんなのこの周りのハイスペックさ。
買い物をしてる時、あたし多分この先に幸せもう来ないんじゃないかってくらい、夢のような時間だった。

「お姫様になった気分でした」
あたしは素直に暁翔さんに感想を伝える。
「クスッ…お姫様か…」
相変わらず子どもみたいなこと言うんだなと暁翔さんはあたしを小馬鹿にする。
「もう!馬鹿にして!」
さっきからなんというか暁翔さんの大人の余裕と色気が入り混じったフェロモンが奴から発しているような気がする。

むぅ…心臓がもたない…
余裕な暁翔さんの傍であたしは心臓がドキドキしっぱなしで破裂しそうだった。
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