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溶かされてみる?
第15章 大人の世界

ガチャ…

「恋ちゃんお帰り」
「ただいまです…って黎泱先輩?!」
玄関を開けてすぐ声かけられたと思うと、そこにはスーツをきっちり着こなす黎泱さんの姿があった。

「あっくんにドレスとか選んでもらったみたいだね」
「お!おかげさまで…!!」
あたしの心臓が落ち着く暇はないのだろうか。
いつもののほほんな雰囲気とは違う、しっかり大人な雰囲気の黎泱先輩は通常よりもイケメン度が増していた。
そのせいで普通の会話もなぜか緊張してしまう。

「ふふふ、恋ちゃんそんなに固くなんなくても」
「黎泱先輩が、いつもと雰囲気違いすぎて…!」
あたしの髪の毛を手ですきながら、黎泱先輩は微笑む。

「意識しちゃってる??」
黎泱先輩はニヤニヤしながらあたしの頭を撫でる。

楽しんでやがる…

「そんな格好でどこか行くんですか?」
あたしは平然を装いつつ話を続ける。
「ちょっと野暮用」
「野暮用…??」
野暮用のためだけにスーツを着るのだろうか…
少し考えていたあたしに、黎泱先輩はじゃあねといって外にでていった。

なんだったんだろ。

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