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溶かされてみる?
第15章 大人の世界

その後、あたしたちはダイニングに降り、皐君に髪のセットをしてもらいパーティーの会場へと向かった。

「り、り、りりりリムジン…」
「誠司さんさすがだね〜」
「パーティー楽しみだな!」
「いつもいつも豪華だな。」
いや、みんな慣れすぎでしょ!
あたしらの家の前に迎えきていたのは、ピカピカのリムジンであり、のることなど一生ないと思っていた乗り物にあたしは今乗っている。

「あたしそろそろ死ぬんじゃないんだろうか…」
「何言ってんだ、今から美味しい食べ物いっぱいあるのに死んだら食えねーぞ恋」
「それはだめです!」
「ぷ…食いしん坊…」
「な!!」
ついつられてしまったが、みんなのおかげで緊張はほぐれた。

「いつもどんなパーティーなんですか?」
「んーまぁほんとお偉いさんたちがニコニコ愛想笑いしてる感じ?」
「俺らは特になんもないけど、いつも黎泱は大変だろうな」
黎泱先輩が大変??
「あ、そういえば黎泱先輩なんで先に出て行ったんですか??」
「黎泱は誠司さんと先にお偉いさんたちの挨拶に行かなくていけませんから」
あ、そうか…黎泱先輩からしたら誠司さんはお父さんみたいなものだから、仕事のことも一緒にしなきゃいけないのか。

「そうなんですね…」
「おっさんとかの世間話ぐらいならいいけど、黎泱が挨拶してると毎回周りに女が群がるからな…」
「れおくん大変そーだよね〜」
「最近はそれでよく出かけていたりしたからな」

なるほど…それでこの前もスーツで…
あれは挨拶回りだったのか…

「皆さま。まもなく会場に着きます」
あたしたちが話していると運転手さんからの声がかかった。
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