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溶かされてみる?
第15章 大人の世界
この声…!
あたしは目を開け声の聞こえた後ろを向く。
「こーちゃん!」
後ろにはおばさまの振り上げた手をつかんだ皐君がいた。
「ったく、いい歳こいてんだからこんなガキみたいなことすんなよ」
「りっくんまで…!」
いつのまにかおばさまたちの後ろには律先輩がいた。
「まぁ…ネズミに毒されたかわいそうな人たち。」
おばさま達は平然を装いたいのだろうが、顔が引きつっている。
「いい加減にしてください! みんなのことそれ以上悪く言ったら許しませんから!!」
あたしはどこまでも小言を言うおばさま達に怒りをぶつける。
「あなたこそ、ちょっと誠司さん達に贔屓にされてるからって調子に乗るんじゃ「調子に乗っているのは鞠さん達ですよ」
「れ、れおくん…」
つい驚いたあたしは黎泱先輩のことを昔の呼び方で呼んだことすら分からなかった。
「黎泱さん…」
さすがに誠司さんの親戚関係でもあり、名が知れているためまずいと思ったのか、おばさまたちは居心地が悪そうに身体をすくめる。
「鞠さん…俺の大事な友達を傷つけるだけには及ばず、誠司さんの顔に泥を塗る気ですか」
「そ、そんなことは…!」
「その通りですね」
気づけば黎泱先輩の後ろに誠司さんとお母さんがたっていた。
「誠司さん…お母さん…」
「くっ…」
もう逃げられないと思ったのか、鞠さんと呼ばれたおばさま達は怒りをあらわにする。