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溶かされてみる?
第15章 大人の世界
「そもそも誠司さんが…こんな女を嫁になんかすると仰りますから…あたくし達は玖鵺のトップの奥様になられる方がこんなどこの馬の骨かもわからないような出のものに「お母さんをバカにしないで!!」
あたしは耐えられず鞠さんに激怒する。
その場にいた誰もがあたしのその怒りにびっくりしていた。
「お母さんは確かに抜けてるとこもあるし、たまに意味わかんないし、バカばっかりすることもあるけど…!」
「れ、恋…」
「それでもお父さんがいなくなってから、女手一つであたしを育ててくれて、自分の幸せよりもあたしのことを考えてくれて、優しくて、いつも明るくて」
「苦しい時もあたしに弱いとかなんか見せることなくて、いつも1人で無視して…、そんなお母さんがあたしは、大好きで本当に尊敬してる」
「あんたらみたいなただ自分の家がすごくいい身分だからって、親の引いてくれたレールをのこのこ歩いて自分の力でなにもできないくせに、文句だけは一丁前のやつとは人間として天と地ほど差があるわ!」
「な…」
あたしはふつふつと湧き出る怒りをぶつけるだけぶつけた。
おばさま達は完全に唖然としていた。
「恋ちゃんの…いえ娘の言う通りです。新名様とは今まで親しくさせて頂きましたが、今回の件は目に余るものがあります。後日、ご主人ときちんとお話しさせていただくとともに、私の大事な家族に謝罪を願いたい。」
誠司さんはまっすぐ鞠さんみながら言う。
今、娘って…
「…ぅ…すみませんでしたわね!」
鞠さん達は吐き捨てるように言い、会場を出ていった。