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溶かされてみる?
第15章 大人の世界
「…は…ぁ…」
「恋!」
あたしは全力を尽くし切ったのか、へなへなとその場に崩れた。
それをいち早く見つけた律先輩があたしを支える。
「あ、足が…力抜けて…はは…」
あの時は正直怒りの絶頂でなにも思わなかったが、今少し冷静になって思えば、これは玖鵺コーポレーションの親交を深めるパーティーであり、あたしは今となっては娘という立場だが、仮にも招待されている身なため、あたしが下手にもめごとをするということは、誠司さんや企業に迷惑をかけるということ。
そう思うとあたしはとてつもなくすごい危険なことをしてしまったと思い罪悪感に蝕まれる。
「誠司さん、お母さんっあたし…ごめんなさっ「謝るのは恋ちゃんじゃない、私の方だ、すまなかった」
「私もよ、恋。本当に恋にまで迷惑かけてごめんなさい」
あたしは冷えた頭ですぐ誠司さんとお母さんに謝るが、2人はそんなことはないと言いながら逆に謝る。
「私がそういう風にみられていることはわかってたわ。だから極力誠司さんや黎泱くんの足を引っ張らないようにしてきたつもりだったの。」
どうしても…迷惑かけちゃうからねとお母さんは寂しげにあたしに微笑む。
「いや、私もみんなを守れないどころか、愛する女1人も守れないとは自分が不甲斐ない。男として失格だ。」
誠司さんが本当にすまないとみんなに謝る。