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溶かされてみる?
第17章 招かれざる男

「あぁ、懐かしいなその写真は」

あ、まただ…

写真を見ながら微笑んでいる環鹿さん。
微笑んでいるはずなのに、
「何を思ってるんですか?」
つい口に出てしまったあたしの疑問。

「え?」
予測していなかったのか、環鹿さんはあたしの方を向いてびっくりしている。

微笑むその顔は、切ないのか、苦しいのか、怒っているのか、蔑んでいるのか、対して何も思っていないのか、どれにしろ笑っている顔ではないとあたしは思った。

「なんだかすごく複雑な顔してます、環鹿さん」
やっぱりとおくんと何かあったせいで…?
あたしは考えた末、思った。
「まさか他でもない恋ちゃんにこの顔見破られるなんてな…」
「他でもない…?」
自嘲したように笑う環鹿さんの意図が全く読めず、あたしは立ち尽くす。

「僕の顔見破ったついでにいいこと教えてあげる」
立ち尽くすあたしの目の前で妖しく微笑む環鹿さん。
この時が、あたしたちを狂わす歯車が回り始めた瞬間だった。
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