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溶かされてみる?
第17章 招かれざる男
「まあ長話になるからさ、お茶でも淹れるからそこ座って座って」
環鹿さんは戸惑うあたしを座らせてお茶の準備をしてくると言い、キッチンに向かった。
なんだったの??
いまだに状況が理解できてない。
結局笑ってないってことだけはわかったけど…
いいこと教えてあげるって…?
何が何やら全くわからないままとりあえず環鹿さんを待つ。
「お待たせ」
「…あ、ありがとうございます。」
あったかいお茶をいれてきてくれた環鹿さんは普通だった。
さっきの何かの勘違い?
「今日家に呼んだのは、吾妻との思い出話でも話そうかなって思ってね…」
何かを考えながら環鹿さんはあたしを見つめながらそういう。
「は、はぁ…」
「さぁどこからはなそうかな…」
あたしにお茶を渡したあと、自分のお茶を少し飲んだ環鹿さんがそう呟く。
「…とおくんとは何かあったんですか?」
「吾妻とはね、特に何もなかったんだよ」
「え?」
ケロっとした顔であたしに微笑む環鹿さん。
そんな顔に拍子抜けするあたし。
まさかそれがオチでしたーとかそんな話じゃないよね??
あたしはまたもや焦る頭を落ち着かせるために、先ほどもらったお茶を飲む。
「吾妻ってさ、怖いくらいなんでもできちゃうんだよ」
「?」
お茶に目線を落としながら、
環鹿さんは思い出話を語るように話し出す。
「何をやってもかなわないんだあいつには」
「いつでも、なんでも」