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溶かされてみる?
第17章 招かれざる男
「…??」
少し寂しそうに見える環鹿さんをみて、あたしは戸惑っていた。
「でも所詮あいつも男だったんだよ」
「男…?」
「女が弱味ってこと」
環鹿さんは初めの爽やかな笑顔ではない不敵な笑みをあたしに向け近づいてくる。
「な…んで近づいてッ…」
「俺さ、いつかあいつのプライドごとボッコボコにしてやりてえと思ってたの」
最初の印象とは真逆の雰囲気と言葉遣いの環鹿さんに、あたしは距離を取りながら恐怖を感じる。
怖いッ…!
「それはとおくんが何かしたわけじゃなッ「してるさ。あいつの存在自体が俺をイラつかせるんだよ」
「きゃっ…」
とうとう逃げ場もなく壁に追いやられたあたしは勢いよく壁にぶつかる。
「だからね…俺あんたのこと利用してやろうと思って」
環鹿さんが狂気に満ちた笑みであたしに着々と近づいてくる。
「やっ…! ッ…」
怖いと思い身体を縮こまらせた瞬間、あたしの身体に違和感を覚える。
なにこれ…身体が、っ…熱い…?
「びっくりした〜効いてないのかと思ったよ。あんたあれ全部飲んだのに」
テーブルの上にあるあたしの飲んだコップを指差して環鹿さんは言う。
「どう…いうことですか…ッ」
あたしは熱くなる身体を抑えながら、キッと環鹿さんを睨む。
「そういう目もそそられるね、悪くないよあんた」
環鹿さんはとうとうあたしの目の前まできて、顎に手を添え上を向かせる。
「あんたが飲んだお茶の中にね、それはそれは効能の高い媚薬をもってたんだよ」
「媚薬…?!」
見たこともなければ、使用したいと思ったことのないその得体の知れない物にあたしは恐れを感じる。