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溶かされてみる?
第17章 招かれざる男
「…なんでここに!」
「遥…お前!!」
「ぐはッ…!」
遠哉さんの力強い拳が環鹿さんのみぞおちに入り、その場にうずくまる環鹿さん。
「お前がコソコソと私の周りをかぎまわって調べていたのは知っていた。それに恋に会ったと聞いて嫌な予感がしたんだ」
いつもとは違う丁寧な口調ではなく、荒々しくより冷たい空気で遠哉さんは環鹿さんの胸ぐらを掴みながらそう言う。
「…嫌いだよ。お前…のそんなとこも…」
「私に何かあるならいってくればいいだろう!なんで恋に手を出した!!」
「とおくん!!」
再び環鹿さんを殴ろうとした遠哉さんをあたしは止める。
「恋…」
あたしの悲惨な姿を見た途端、より鋭い目つきをしながら環鹿さんを睨みつつも、遠哉さんはあたしの元に駆けつける。
「悪かった…俺のせいで、恋が…」
あたしの腕の拘束を解き、自分の着ていたジャケットをあたしの身体にかけながら遠哉さんはあたしを抱きしめる。
「ん…ッ…とおくん」
熱が灯ったままのあたしの身体を抱きしめられた途端、あたしの口からは甘い声が漏れる。
「遥。お前は絶対に許さない」
遠哉さんはあたしをお姫様抱っこしながら、部屋を出て行く前にそう呟いた。
「…ッ」
なんともいえないような顔で環鹿さんはそんな遠哉さんを見つめていた。