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第20章 デートという名の争奪戦？

「やっと笑った」
「…え？」
コーヒーカップの中でれおくんは
あたしを見ながら笑顔で言った。

「ずーっとしかめっ面だったから」
こんな顔してたよって言いながら、さっきまでしていたであろう
れおくんはあたしの顔真似をする。

「そんな顔してた…？」
「してたよ」
「…ごめんね、れおくん」

あたしが色々悩んでるのわかって…
あんなにハイテンションで、れおくんはあたしを楽しませてくれようとしてたのか…

「ん〜、そこはごめんじゃなくて、ありがとうって言って欲しいとこだけどな〜」
恋ちゃんが楽しいなら、俺も楽しいからと
れおくんはあたしをコーヒーカップに招きながら言う。

「れおくん…」
いつもれおくんは独特の空気感放ってるけど
周りを見てて優しい。

「さぁ、楽しい時間は目一杯楽しもう〜！」
「うん！！」
あたしはれおくんの招かれた手に自分の手を重ねて、
コーヒーカップに乗った。