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溶かされてみる?
第20章 デートという名の争奪戦?
…
「落ち着いたか」
散々泣き腫らしたあたしにそっとりっくんが声をかける。
「うん、ありがとう」
「そうか…安心したって言いたいところなんだけどよ」
ん?
なんとも歯切れが悪いりっくん。
「…お前、もしかしたら忘れてるかも知んねーけど、俺らが今いる場所わかってる?」
「あたしらが今いる…場…」
!!!!!!!!!
「ホ、ホ、ホホホホホホホラーーーー!!!!」
甘い空気も、ちょっとしっとりした雰囲気も
全部!この!ホラーな場所で!!泣
事件!最悪!即刻脱出!!
「落ち着けって!おい!」
パニクるあたしをなだめるりっくん。
しかしそんな言葉は現在あたしの耳には入りません。
「り…」
りっくんの方を向いた瞬間…
「で…」
「で…??」
「でたあああああああああ!!!!!」
ダダダダダダダダ…!!!!!
いたよ…今、りっくんの後ろに!
やつが!お化けが!いたよ!!!!!
あたしは無我夢中で暗い道を走る。
「おい!!恋!」
遠くからりっくんがあたしを呼ぶ声がしたが、
あたしは逃げることに無我夢中だった…