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溶かされてみる?
第20章 デートという名の争奪戦?


えええ…っと…

「って言うか、君じゃない」
「あ。ごめんね、君の名前は??」

「普通は人の名前聞く前に、自分の名前をいうのが筋なんでしょ」

…なんと大人な子どもなんだ。
一瞬このマセガキって思ったけど
確かにいってることは間違えじゃない。

「お姉ちゃんの名前は恋。よろしくね」
笑顔であたしは男の子に微笑みかけた。

「…郁」
「へ?」

間髪入れずに男の子が小さい声で何かを言った。

「だから…名前、郁。」

「郁くんか!!おっけい!じゃあいっくんにしよう!」
「ダサ」
「えぇ…そんな、いっくんって最高にぴったしだと思ったんだけどなぁ」
「…別に、それでいい」

そう言いながらふんっと横を向く、
いっくんの顔は少し赤らんでいて。

「いっくんのお母さん、探しにいこう??」
「手」
「手?」
「…手、繋いでくれたら嬉しい。」

ー何この小動物…
可愛すぎない?キュン死にしそうなんだけど!!!
自分で言ったのに、すごいいっくん照れてるし!!
かわいい!すっごく可愛い!

ついついニヤニヤして、
いっくんを見つめるあたし。

「あからさまに、嬉しそうな顔しないで」
「お姉ちゃんがずっと手を繋いでてあげる〜」
「キモ」
「わかったわかった〜」
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