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溶かされてみる?
第20章 デートという名の争奪戦?
「いっくん、ほっぺにソースついてるよ」
「わ、わざとだ!!!」
急いでティッシュで拭くいっくん。
何から何まで、急に可愛く見えてくるって
まさに子どもマジックだわ…
「いっくん、食べ方綺麗だね!すごい!!」
「家で習った。」
「え、いっくんって今何歳??」
「6歳。来年小学2年生。」
あたし1年生の時
こんなに綺麗にナイフとフォーク使えてなかったと思うんだけど…
まさかいっくんって…
いいところのお坊ちゃん…??
不意にそう思ったが
いっくんに聞くことはなく、そのまま食事を続けた。
…
「はぁ〜美味しかった〜」
「…ご飯ありがとう、恋」
「いいんだよ。いっくん」
「よし!!気を取り直して、お母さん探すぞー!!」
…
あれからいっくんに一日行ったという場所を
行ってみては探し、行ってみては探したが
全くお母さんは見つからない。
時刻はそろそろ21時前…
やばいなぁ…いつのまにかこんな時間だし…
そろそろいっくんのご家族も心配してるよね…
どこかで会えたら一番いいんだけど…
「恋…眠たい」
眠気まなこを擦りながら
あたしの服の袖を引っ張ってるいっくん。
いっくんが寝る前に
お母さんの名前や着ている服、特徴を教えてもらい、
寝るいっくんをおぶりながらあたしは探した。
…
「…全然見つからない…」
テーマパーク自体は、夜中までやっていて、
運良く煌々とライトが照らされてあるため、人が暗くて見えないということはなかった。
だが、アナウンスをかけてもらってもそれといった人はでてこず、
手当たり次第エリアを探したが、全く見つかる気配がなかった。
どうしよ…
もう22時すぎちゃってるし…
いっくんこのままじゃ風邪引いちゃうかも…
でもこんだけ探しても見つからないとか
いっくんのお母さんどこいっちゃったの…??