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溶かされてみる?
第20章 デートという名の争奪戦?
「そんな潤んだ目して、足りない…?」
「た、たりてますから!!むしろ多いくらいですから!!」
今日の暁翔さん、異常にいつもよりかっこよさ増してる気がするのはあたしだけ…?
「…にしても、あいつらもなのに、郁もとはな…」
「何か言いました…??」
「こっちの話」
暁翔さんはあたしの手をとり、手を繋いだ。
「それじゃ、帰るぞ」
「はいっ!!」
繋いだ暁翔さんの手は、すごくあったかかった。
…
それにしても、もう23時過ぎなのに、
このテーマパークまだ営業とか、どうなってるの。
ようやくパーク内の端の方から
ホテルのある真ん中あたりまで帰ってきたあたしたち。
真ん中あたりにはレストランとかいっぱいあるから
まだそれなりに人はいるけど…
「あ、チョコ…」
小さなワゴン車のチョコ売り場がある。
可愛らしい見た目と、ワゴンから漂う甘いにおいにあたしは夢中になりそうだった。
「食べるか?」
「いいんですか?!」
「あぁ、買いに行くか」
チョコ売りの人はとても気前のいい人で
ちょうどもう店仕舞いだからと、たくさんのおまけをしてくれた。
「わーい!!美味しそう!」
「あんまり食べすぎるなよ」
太るぞなんて女の子には禁句なことを言う暁翔さん。
「そんな風に至福のときに水を差すなんて最低〜!!」
ついムキになって言うと暁翔さんは
その反応が面白かったのか笑っていた。
買ったチョコの包みを開き、一口頬張る。
「う…わぁ、美味しい〜!!」
なんとも美味!!
チョコはすんごい甘くて、
中にソースみたいなのが入ってて
それがちょっぴりほろ苦いからバランスが取れてて…
「ん〜!!幸せ〜」
「ほんと美味そうに食べるな」
「暁翔さんも食べてみてください!」
あたしはチョコを指でつまみ、暁翔さんに差し出す。
「…そのチョコ、恋自分の口の中入れて」
「え?」
どうゆうこと?
暁翔さん食べないのかな?
言われた通りに
あたしは暁翔さんに差し出したはずのチョコを自分の口の中に入れた。