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溶かされてみる?
第21章 流れていく時間
Yuuna Side...
巽君から、あの告白を受けて以来…
恋には大層なこと言ってるくせして、
うちは何1つ前に進んでない。
でも、巽君と話してるのはすごく楽しくて…
「融那…チョコあげて告白するの?」
「えっと…その…」
「迷ってんだ」
「そ…そりゃ、うち…だって」
「…何が怖いの??」
恋はこういう時鋭い。
うちの核心をついてくる。
「た、た巽君が…その」
「うん」
「まだうちのこと好きかとか…そんな自分本位なこと思いたくないけど…」
「話してると楽しいし…けどうちがずっと返事待たせてるせいで、その心変わりとか…してたらって考えると…」
「怖いんだね…」
わかってる。こんなのただの自分勝手だって。
「でも、巽君はさ…そんなの乗り越えて融那のとこに来てくれたんでしょ?」
恋は怒るでもなく諭すでもなく、あっけらかんとそう言った。
「元々融那が自分に対しての好きって感情がないの知ってて、ちゃんと面と向かって、融那に好きって言ってくれたんでしょ?」
「だったら…」
ー融那も、精一杯の好き伝えなきゃ。
ストンと心に落ちた、恋のその言葉。
「…そうだよね、うちがここで止まってたら、巽君に失礼だよね」
…伝える。いまうちの中にある気持ち。
「よーし!!そうと決まれば!融那のためにとびっきりのお菓子伝授したげる〜!!」
真剣な空気をいとも簡単にぶち壊し
目の前で自分のことのようにはしゃぐ恋。
ほんっと…この子には敵わないな。…なんて
不意にそんなことを思った。
「伝授。お願いします、先生〜!!」
そんなこんなでうちらは
自分たちのバレンタインに向けた
愛する人へのチョコ作りを始めた。