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溶かされてみる?
第21章 流れていく時間
渡り廊下の角にすぐあるバスケ部の部室。
声のした方を見ると、
巽君と名前を読んでいた女の子の姿があった。
そもそも…巽君って下の名前、湊っていうんだ…
そんなことも、うちは知らない。
巽君の隣にいる子の方が、きっとたくさん
巽君のことを知ってるんだろな…
ラッピングしたチョコたちの包み紙を握る手が強くなる。
「これもらってほしい、湊君のことが好きだから」
「浅野…」
どんな顔してるんだろ、
もしかして、付き合うのかな。
ドクン…ドクン…
やだ、緊張して胸の音すごい…
「ごめん、浅野」
「俺、1人だけ、貰いたい人がいるんだ。」
「浅野の気持ちはすごい嬉しい。けど、俺が好きなのは双葉先輩だけだから」
!!!!
その言葉に胸が跳ねた。
「ずっと言ってたもんね…わかった、頑張ってね」
女の子はそのままうちのいる方向とは逆に走っていった。
どうしよう…
不謹慎だよね、今目の前で女の子が振られたのに。
うちこんなにも胸がドキドキしてるなんて。
こんな汚い気持ちで
巽君に気持ち伝えられないよ。
少し頭を落ち着かせようとその場を離れようとしたー
その時、
「双葉先輩…?」