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溶かされてみる?
第6章 嫉妬
ご飯を食べた後、出る仕度をして玄関まで行くと
もうすでに黎泱先輩、律先輩、皐君が立っていた。
「んじゃ行くぞ」
律先輩が笑顔でそう言った。
「はい!行ってきまーす!」
あたしはそう言って家を出た
…
意外に家から学校までの道のりは近く、ただ路地を入ったりするのでちょっと迷路みたいだった。
これ1人で行かなくてよかった〜…
いやでも…
あたしの前には黎泱先輩達が並んで歩いていて…
通りすがりの登校中の同じ学校の学生や、他校の学生がキラキラした目でみつつ、黄色い声を出す。
あたし感覚マヒしてた…
つい昨日まであたしあっち側の人間だったのに…
しかもよりにもよって昨日なんかしらあった3人と登校だなんて…
なんとなく気まづくなったあたしは、黎泱先輩達と距離を開けて歩いた。
「恋先輩、体調でも悪いの??」
後ろでうつむきながら歩くあたしをみて、皐君は心配そうに言う。
皐君って可愛いのか意地悪なのかわからないよ!!
しかもち、近い!!
気になったのかあたしの近くまできて、顔を覗き込んでくる。
「顔赤いね、昨日のこと思い出しちゃった…??」
と耳元で囁く皐君。
こいっつ!!!!確信犯だ!!
ちょっとでも可愛いとか思ったあたし、カムバック!泣
「ちっ、違うし!!」
大丈夫大丈夫と言いながら、あたしは前を黎泱先輩達を通り越してスタスタ歩いて行く。
「寝癖発見〜」「そんな歩いてたらまた転ぶぞ?」
いつのまにか両サイドに黎泱先輩と律先輩がいて、
黎泱先輩はあたしの髪を触りながら、律先輩はあたしの手を引いて言った。
だ、だから!!!
なんでこの人たちは適度な距離感ってものがわからんのだ!!泣
あたしは高鳴っていく胸を押さえて、あと少しの道のりを歩いた。
カシャッ
「なーにあいつ…腹立つなあ〜」
その姿をしっかりとカメラに抑えた不敵な笑みを抱えた少女。
「お仕置きしてあげないとね」
ふふっと笑いながらその少女はその場を去る。
あたしはこの時はまだ
もう近くまで来ていた忍び寄る影に気づかなかった。